
Side:実夕 and 凌介
見ちまった。
そんなところ、見たくもなかったのに――。
家の階段を降りてるとき、ふと窓から見えた光景──実夕が男と帰ってきていた。
もうすぐ夏とは言え…もう、八時だぞ?
──あいつが、暁?
なんだよ…その顔。
暗くても分かる位に真っ赤な顔は、初めて見る表情だった――まるで、今日告ってきた、あの女が見せたみたいな。
そして、最後には…拗ねたような表情――少なくとも男では、俺にしか見せなかったはずの。
そんな顔、するなよ。
なんだろう…イライラが収まらない。
この関係が、崩れるなんてまさか思っていなかった。
よく考えれば、分かったはずだったのに。
こんな関係が、長く続くはずもなかったこと。
考えることから逃げていたんだ。
だって、こんなにも“曖昧”な関係。
やり場がない、このキモチ──…。