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Side:実夕 and 凌介

『あ、あの…遅くなっちゃってごめんね?あと、わざわざ家まで送ってくれてありがとう。…って言うか、その…お恥ずかしい姿をお見せしまして…』
「何言ってんの。男友達は恋愛の相談にはもってこいなんだぞ。もうどうせバレたんだからさ、一人で泣くなよ?いつでも話聞くし」
『うー…誰にも言いたくなかったのに……こんな惨めな恋』
「残念でした。ってそんなこと言わずに、応援するから頑張れよ」
『でも、凌また彼女出来たし…』
「まだ、そうとは決まってないだろ?じゃあ、とりあえず…また明日な!」
『うん…今日は本当にありがとう!また明日ね』
「あ!仲直り、早くしろよ?気まずくなる前に」
『むー、分かった』


* * * * *

 見ちまった。

 そんなところ、見たくもなかったのに――。

 家の階段を降りてるとき、ふと窓から見えた光景──実夕が男と帰ってきていた。

 もうすぐ夏とは言え…もう、八時だぞ?

 ──あいつが、暁?

 なんだよ…その顔。

 暗くても分かる位に真っ赤な顔は、初めて見る表情だった――まるで、今日告ってきた、あの女が見せたみたいな。

 そして、最後には…拗ねたような表情――少なくとも男では、俺にしか見せなかったはずの。

 そんな顔、するなよ。
 なんだろう…イライラが収まらない。

 この関係が、崩れるなんてまさか思っていなかった。
 よく考えれば、分かったはずだったのに。
 こんな関係が、長く続くはずもなかったこと。
 考えることから逃げていたんだ。

 だって、こんなにも“曖昧”な関係。

 やり場がない、このキモチ──…。



 

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